長井浦(読み)ながいのうら

日本歴史地名大系 「長井浦」の解説

長井浦
ながいのうら

「万葉集」巻一五に「備後国水調郡長井浦船泊之夜作歌三首」があり、その比定には糸崎いとさき説・尾道説などがある。宝暦一〇年(一七六〇)楢崎境斎の「長井浦記」(「三原志稿」所収)に「長井の浦ハ三原の城東一里にあり、今ハ糸崎といふ、(中略)社内(糸碕神社)に古き井水あり、長井水といふ、上代神功皇后西征の時(中略)水を貢し献るの長井水是なり(中略)此浦を長井浦といへるハ蓋此井によりて名を得、また糸崎と称するも恐くハ井戸崎にして倭読の転訛ならむか」とあり、古くから糸碕いとさき神社の社伝に結びつけて考えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報