門を開きて盗に揖す
自分から進んで災難を招くことのたとえ。
[由来] 「三国志・呉書―孫権伝」に見える話から。二世紀、後漢王朝末期の混乱の時代。呉という地方を支配していた孫策という武将が若くして亡くなり、弟の孫権が後を任されました。しかし、孫権は兄の死に泣いてばかり。そこで、ある家臣がこんなことを言いました。「豪族たちが激しい勢力争いをくり広げているこの状況で、親族の死を悲しんで涙を流しているのは、『猶お門を開きて盗に揖するがごとし(まるで屋敷の門を開けっ放しにして、泥棒に入ってくださいとお辞儀をしているようなものです)』。そんなものは情の深さではありません」。そうして、孫権に喪服を着替えさせ、馬にまたがらせて、軍隊の視察に出かけさせたということです。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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