門前・笠間村(読み)もんぜん・かさまむら

日本歴史地名大系 「門前・笠間村」の解説

門前・笠間村
もんぜん・かさまむら

[現在地名]大安町門前

金井かない村の北西にあり、集落は員弁街道沿いに形成されている。天平一六年(七四四)仏所に貢せられた猪名部真人は笠間郷住人である(正倉院文書)。「和名抄」にも同郷の名がみえ、笠間付近一帯に比定される。また、保元の乱の結果後白河天皇に没収された平正弘の所領の一つに笠間御厨があった(兵範記)。元弘三年(一三三三)七月一九日付後醍醐天皇綸旨(由良文書)に「伊勢国笠間荘 維貞跡」とあり、また建武二年(一三三五)九月二日の太政官符(神宮文庫蔵御鎮座伝記紙背文書)に「笠間吉富保右馬助家時(跡カ)」とある。維貞は時房の子朝直の流れ(大仏家)で、正中三年(一三二六)連署となり、翌年死亡(将軍執権次第)、家時は維貞の子である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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