間に髪を容れず(読み)かんにはつをいれず

精選版 日本国語大辞典 「間に髪を容れず」の意味・読み・例文・類語

かん【間】 に=髪(はつ)[=一髪(いっぱつ)]を容(い)れず

  1. 間に髪の毛一本さえも入れる余地がない。物事少しのすきまもないさま。
    1. [初出の実例]「喝似雷奔間髪(かんニハツヲイレざル)者也」(出典:新撰類聚往来(1492‐1521頃)中)
  2. 非常に親しくて隔てのないさま。
    1. [初出の実例]「中のよくにっことあるをば間不入髪と云ぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
  3. ある一つの事態がおきたとき、すかさず、それに応じた行動に出るさまにいう。
    1. [初出の実例]「いそぎふためいて急なるなりぞ。虎狼の獣を逐い、鷹隼の鳥を撃が如に、間に不容髪急にせよぞ」(出典:史記抄(1477)一九)
    2. [その他の文献]〔説苑‐正諫〕

間に髪を容れずの補助注記

「間、髪を容れず」を誤って、「間髪(かんぱつ)を容れず」と発音されることも多い。


ま【間】 に=髪(はつ)を[=髪(はつ)と]容(い)れず

  1. 少しのすきまもないさま。事が急で少しも猶予のないさま。間(かん)に髪をいれず。
    1. [初出の実例]「まに髪(ハツ)をいれぬ心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)四九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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