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間身体性 かんしんたいせいintercorporéité(仏)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

間身体性
かんしんたいせい
intercorporéité(仏)

M.メルローポンティは,他人の存在の問題,他人経験の問題 (すなわち間主観性の問題) を,H.ワロンの発達心理学や,J.ラカンの鏡像段階の理論を手掛かりにとらえ直し,この問題を,いかにして自己が他人を他人として認め,関係を取り結ぶようになるかという形ではなく,いかにして自己が他人と区別される自己として意識されるに至るかという形で立てることにより,新たな解決を与えようとした。すなわちメルロー=ポンティは,人間存在を純粋な対自存在 (サルトル) とか超越論的な構成主観 (フッサール) としてでなく,あくまで身体によって世界に内属している身体的実在として,行動の主体として (つまり世界内存在として) とらえた。幼児期の自他未分化な身体経験から分かるような,パーソナリティの構造は,成人の生活のうちにも存続しており,そのつどの知覚や情感的経験においてよみがえってくるのであるが,こうした経験は,私と他者が同じ一つの「間身体性」の器官であることによる。このようにわれわれはその存在の最も根源的層において間主観的であり,社会的であり,こうした根源的間主観性を「間身体性」という概念で呼ぶ。

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