化学辞典 第2版 「防燃加工」の解説
防燃加工
ボウネンカコウ
fire proofing finish
大部分の織物は,有機繊維でつくられているため燃えやすい.これが炎をだして燃えたり,余じんが燃え続くのを防ぐ加工のことで,防火加工ともいう.防燃剤としては,
(1)耐水性がなく,一時的効果のものとして,リン酸水素二アンモニウム,硫酸アンモニウム,スズ酸ナトリウムなど,
(2)複分解によって,不溶性沈殿を生成し,半恒久的効果を与える塩化酸化アンチモンなど,
(3)セルロースと化学的に結合して,恒久的効果を与えるチタン-アンチモン錯化合物,テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム=クロリド,リン酸-尿素など,
があり,非反応性として,塩化ホスホリルPOCl3とアンモニアの反応物,リン酸トリアリルとブロモホルムの反応物などが使用される.キャンバスなどの厚い重布には,塩化パラフィンと三酸化アンチモンを主剤とした加工剤が用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報