最新 地学事典 「阿多テフラ」の解説
あたテフラ
阿多テフラ
Ata tephra
約10.5万~10万年前に,鹿児島湾南部の阿多カルデラの近くから噴出した,一連の噴火による多種・大量のテフラ。Ataと略記。岩質は輝石デイサイト質。最初,水蒸気マグマ噴火とプリニアン噴火とを繰り返し,最後に破局的な火砕流噴火に移行した。この大規模火砕流の堆積物は南九州全域に分布し,給源から60km以内では強く溶結することが多い。この火砕流と同時に生産された降下火山灰(阿多火山灰)は沖縄南方の海域から本州中部,伊豆七島周辺海域で見いだされる。酸素同位体ステージ5cを占める。九州では最終間氷期の地層・地形面形成直後の鍵層として利用される。参考文献:町田洋ほか(1992) 『火山灰アトラス』,東大出版会
執筆者:町田 洋
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

