コンピュータとハードディスクドライブやSSD(solid state drive)、DVDドライブといった光学系ドライブなどの記憶装置を接続するための規格の一つ。serial advanced technology attachmentの略で、SATA(エスアタ、サタ)とも表記される。
シリアルATAは2000年11月にシリアルATAワーキンググループによって発表された。従来型のATA(パラレルATA。IDE:integrated drive electronicsともいう)はデータを複数回線で並列転送を行うパラレル転送を使うが、上位規格であるシリアルATAは、1組の回線でデータを順番に送るシリアル転送を使っている。一見、データを一つずつ送るシリアル転送よりも、複数のデータを同時に送るパラレル転送のほうが高速になると思われるが、パラレルでは、同時に送るデータの干渉を避けてタイミングをとる(同期をとる)必要があるなど、単純に高速化はできない。そのため、シンプルなシリアル転送が、USB、IEEE1394など多くの接続方式に採用されるようになった。ATAも従来のものとの互換性を保持しながら、シリアル転送を取り入れて、細いケーブルや小さなコネクタを使用しながら転送速度を高速化した。パラレルATAの最高転送速度がUltra(ウルトラ)ATA/133の133メガバイト/秒であるのに対して、SATAが150メガバイト/秒、さらに上位規格であるSATAⅡでは300メガバイト/秒、2009年に策定されたSATAⅢでは600メガバイト/秒になっている。また、SATAⅡ、Ⅲはシステムを止めなくても接続機器の取り付けや取り外しが可能な、ホットプラグにも対応している。
それぞれの仕様は、SATAⅡはSATAに対して、SATAⅢはSATAとSATAⅡに対して後方互換(新しい製品が古い製品に対する互換性があること)を実現しているが、使用環境によっては実質的な転送速度が低下することがある。そのほか、外付けの記憶装置を接続するための、eSATA(イーサタ)(External Serial ATA)という拡張規格もある。また、ノートパソコンなどで内部記憶装置を取り付けるコネクタの規格にmSATA(mini(ミニ)SATA)がある。これは、Mini PCI Expressという小型の拡張カード用の規格を利用したもので、ケーブルを使わずに直接取り付けられ、おもにSSDで利用されている。さらに、micro(マイクロ)SATAという小型HDDやSSD用の規格もあり一部の製品で使われているが、mSATAとは互換性がないため注意が必要である。
[編集部]
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