朝日日本歴史人物事典 「阿部真造」の解説
阿部真造
生年:天保2(1831)
江戸後期・明治初期のキリスト教徒。慶応3(1867)年ごろキリシタンに改宗,伝道師。本名貞方良輔。長崎の唐通事書役の家に生まれる。カトリック日本名義司教プティジャンの教書印刷に貢献。明治2(1869)年護教書『夢醒真論』で政府の信仰弾圧を批判。翌年マラッカのピナンに避難した神学生に同行,帰国後も横浜で国漢を教授,出版に従事したが,同5年2月突然,出奔し棄教,教導職に採用され『弁正洋教』でキリシタンを排した。彼の入信と棄教を巡って諸説あるが謎も多い。<参考文献>片岡弥吉「阿部真造について」(『キリシタン研究』6号),海老沢有道「維新前後における一知識人の足跡」(『維新変革期とキリスト教』)
(片岡千鶴子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報