普及版 字通 「陲」の読み・字形・画数・意味
陲
11画
[字訓] ほとり
[説文解字]
[字形] 形声
声符は垂(すい)。垂は華葉が垂れて地に及ぶ形。その末端のところをいう。〔説文〕十四下に「きなり」とあり、岸涯の意とする。字は多く辺陲の意に用いる。神梯の象である(ふ)に従うことからいえば、もと聖域をいう字であろう。聖域は容易に近づきがたい危険の地であった。金文の〔曾姫無壺(そうきぶじゆつこ)〕に「漾陲」という語があり、漾水のほとりをいう。
[訓義]
1. ほとり、さかい。
2. あやうい、けわしい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕陲 ホトリ 〔字鏡集〕陲 ホトリ・アヤフム
[語系]
陲・垂・zjiuaiは同声。(すい)は草木の華葉の垂れる形、その地に及ぶを垂という。〔説文〕十三下に垂を「邊なり」とし、陲辺の意とする。陲はもと聖地として近づきがたい地の意であるが、のち陲を辺陲の意に用いる。
[下接語]
疆陲・塞陲・朔陲・西陲・庭陲・天陲・辺陲・封陲
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報