陳摶(読み)ちんたん(英語表記)Chén Tuán

改訂新版 世界大百科事典 「陳摶」の意味・わかりやすい解説

陳摶 (ちんたん)
Chén Tuán
生没年:?-989

中国,五代・宋初の道士。字は図南。亳(はく)州(河南)の人。後唐長興年間(930-933)の科挙に落第して仕官をあきらめ,湖南の武当山九室巌に隠棲して道術を学び,のちに華山雲台観などに住んだ。後周の世宗に召され,また宋の太宗のときには2度上京して寵遇され,希夷先生の号を賜った。《易》を好んで《正易心法》などの著作があり,とくに宋学根幹をなす〈太極図〉(太極)は彼の作ともいわれる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の陳摶の言及

【人相学】より

… その後隋,唐,五代十国の時代になっても相術は衰えることなく,呂洞賓(りよとうひん),一行(いちぎよう)禅師,麻の衣に身を包むを常とした麻衣(まい)仙人,後周の世宗の師であった王朴などが出た。さらに麻衣仙人の弟子で宋の太宗から希夷と賜号された陳摶(ちんたん)は長く秘伝とされていた相法を公表し,他の仙家や仏家もこれに倣ったので,宋代にはこれらをまとめた《神相篇》が出た。この書によって相術を究める者は後を絶たず,その中には,元の世祖(フビライ・ハーン)が日本を襲った際に師としてこれをいさめたと伝えられる碧眼道者らがいる。…

※「陳摶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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