隅州熊毛郡種子島(読み)ぐうしゆうくまげぐんたねがしま

日本歴史地名大系 「隅州熊毛郡種子島」の解説

隅州熊毛郡種子島(種子島記)
ぐうしゆうくまげぐんたねがしま

一巻

成立 文化末―文政前期

原本 種子島(西之表市立種子島開発総合センター寄託)

解説 表紙欠落のため冒頭の記事「隅州熊毛郡種子島」を仮に正称とする。島内主要個所の方位と距離を示した記事が、文化七、八年頃の成立と思われる種子島方角糺帳とほぼ同一であること、一八ヵ村のうち半分の人家数が同じであること、記事の下限年代が文化八年で、一島総石高が「薩藩政要録」収載の文政九年の数値より小さいことなどから、文化九年の伊能忠敬の種子島測量実施後しばらくしてから作られたものと推測される。文化元年の神社仏閣其外旧跡等糺帳や前掲方角糺帳と併せて用いると、一九世紀初期の種子島各村の様子が把握できる。内容は種子島の南北・東西・惣回りの距離の記事に始まるが、続く村ごとの記述では、例えば西之表村の場合、方角糺帳とほぼ同内容の記事のほか、島主種子島氏家の家宝や種子島の中心寺社の位置・拝領高・由緒沿革・宝物の記事およびおもな山岳河川名所旧跡や浦・塩屋・野牧などの記事のほか、村高や人口、その身分階層別内訳など詳細な記事を収める。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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