隠ろふ(読み)カクロウ

デジタル大辞泉 「隠ろふ」の意味・読み・例文・類語

かくろ・う〔かくろふ〕【隠ろふ】

連語かくらう」の音変化》
[動ハ四]隠れている。
「昨日今日雲のたちまひ―・ふは花の林を憂しとなりけり」〈伊勢・六七〉
[動ハ下二]
に同じ。
「いとどうち忍び―・へ給ひしほど」〈夜の寝覚・五〉
表立たないでいる。
「さだ過ぎぬるを功にてぞ―・ふる」〈紫式部日記

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精選版 日本国語大辞典 「隠ろふ」の意味・読み・例文・類語

かくろ・うかくろふ【隠】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 「かくらう」が変化して一語化したもの ) 物陰にはいったりして見えなくなる。また、人に知られないような所にひそむ。
    1. [初出の実例]「きのふけふ雲のたちまひかくろふは花の林をうしとなりけり」(出典:伊勢物語(10C前)六七)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙
    1. 物陰などにひそんで見えなくなる。人に知られないようにする。
      1. [初出の実例]「しろたへに雪のふれれば小松原色の緑もかくろへにけり」(出典:貫之集(945頃)四)
      2. 「狩人の朝ふむ小野の草わかみかくろへかねてきぎす鳴なり〈俊恵〉」(出典:風雅和歌集(1346‐49頃)春中・一二六)
    2. ( 「たり」「てあり」などを伴って ) 表立たないでいる。
      1. [初出の実例]「よめにこそしるきながらも、よろづかくろへたる事多かりけれ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
      2. 「初瀬のひばらかくろへたるふしぶしまでをまるはだかにして口からさきに生れたる山水のおきながしらみあたまと、かきちらしたれば」(出典:評判記・役者評判蚰蜒(1674)序)

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