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末摘花 すえつむはな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

末摘花
すえつむはな

源氏物語』の「末摘花」の巻の女主人公常陸宮の娘。源氏は好奇心を起して通い,やがて顔色青く鼻が垂れてその先が赤いという醜さに驚くが,のち哀れんでその後も世話をする。のちには醜女を嘲笑していうときに用いられ,また川柳集の書名ともなった。

末摘花
すえつむはな

誹風末摘花』の略称。江戸時代後期の川柳集。4巻。初代柄井川柳の撰になる『川柳評万句合』のなかから破礼句 (ばれく) と呼ばれるわいせつな句だけを集めたもので,初編が安永5 (1776) 年に刊行され,第2編天明3 (83) 年,第3編寛政3 (91) 年,第4編享和1 (1801) 年と続刊された。性が洪笑の対象とされているだけという限界はあるが,色欲を通して人情の機微をとらえた佳句も多く,風俗研究の資料としての価値も高い。

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デジタル大辞泉の解説

すえつむ‐はな〔すゑつむ‐〕【末摘花】

《花が茎の末の方から咲きはじめるのを順次摘み取るところから》ベニバナの別名。 夏》「わが恋は―の莟かな/子規

すえつむはな【末摘花】[書名]

源氏物語第6巻の巻名。光源氏、18歳から19歳。源氏は常陸宮(ひたちのみや)の娘末摘花と契りを結び、翌朝大きな赤鼻の醜女だったことを知る。
源氏物語の登場人物。常陸宮の娘。容貌は醜いが、古風で実直な性格をもつ。
誹風(はいふう)末摘花」の略称。

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百科事典マイペディアの解説

末摘花【すえつむはな】

川柳集。《誹風末摘花》とも記す。4編4冊。1776年―1801年刊。初編は書肆花屋久次郎編か。2編以下は似実軒酔茶編。川柳評前句付《万句合》の中から,性的風俗を扱った末番句(すえばんく),いわゆる〈バレ句〉を選び出し,一句立として集めた艶句集。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

末摘花 すえつむはな

源氏物語」の登場人物
常陸宮(ひたちのみや)の姫。容姿がみにくく,ながくのびた鼻の先が末摘花(ベニバナ)でそめたようにあかい。光源氏はそれとは知らず一夜をちぎり,その後も気の毒におもい面倒をみるが,姫は出家する。

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世界大百科事典 第2版の解説

すえつむはな【末摘花】

川柳風狂句艶句集。《誹風末摘花》とも記す。初編は書肆花屋久次郎編。1776年(安永5)刊。二編以下は浅草似実軒酔茶(戯号)編。83年(天明3)二編,91年(寛政3)三編,1801年(享和1)四編刊。初編の奥に〈川柳評万句合(まんくあわせ)書抜〉とあるように,初代川柳の万句合摺物から〈末番(すえばん)句(ばれ)〉だけを抜いたもので,末番の花を摘み集めたというしゃれた書名である。4編合計2331句。大正末年に沢田五猫庵の手により,八編までが追加編集されている。

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大辞林 第三版の解説

すえつむはな【末摘花】

〔茎の末の方から花が咲き始めるのを、摘み取るところから〕
ベニバナの別名。 [季] 夏。 《 わが恋は-の莟かな /正岡子規 》

すえつむはな【末摘花】

源氏物語の巻名。第六帖。
○ 源氏物語の作中人物。常陸宮の女むすめ。赤鼻の醜女だが、古風で実直。
「誹風はいふう末摘花」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

末摘花
すえつむはな

江戸中期の川柳(せんりゅう)句集。4編。初編1776年(安永5)刊、4編1802年(享和2)刊か。各編約500~600句を収める。書名は『誹風(はいふう)末摘花』とも。「末摘花」は、川柳評万句合(まんくあわせ)の末番(すえばん)(末等入賞)中より恋の句を抜粋したことを、『源氏物語』末摘花の巻に言い掛けた命名で、卑俗で滑稽(こっけい)な恋の句を集成し、『柳多留(やなぎだる)』の恋の句版を意図したもの。「蛤(はまぐり)は初手(しょて)赤貝(あかがい)は夜中(よなか)なり」の巻頭句をはじめとして、句の素材は卑猥(ひわい)であるが、表現は軽妙な滑稽感にあふれた佳句が多く、また江戸風俗の資料としても貴重。なお、大正に至って、沢田例外(れいがい)が5~8編を編んだ。[岩田秀行]
『岡田甫編『定本誹風末摘花』(1952・第一出版社) ▽岡田甫著『川柳末摘花詳釈』上・下・拾遺編(1955~56・有光書房)』

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