隴海線(読み)ろうかいせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「隴海線」の意味・わかりやすい解説

隴海線
ろうかいせん / ロンハイシエン

中国、連雲港(れんうんこう)―蘭州(らんしゅう)間の鉄道名称。全線複線、徐州(じょしゅう)―蘭州間電化。延長1759キロメートル。黄海に臨む連雲港より徐州を経て開封(かいふう)に至り、ここより黄河とその支流の渭水(いすい)に沿って洛陽(らくよう)、西安(せいあん)、宝鶏(ほうけい)、天水(てんすい)などの都市を経由し、甘粛(かんしゅく)省の省都蘭州に至る、華北南部を東西方向に横断する幹線鉄道である。清(しん)朝時代の1909年にベルギーとフランス資本によって開業した開封―洛陽間の汴洛(べんらく)鉄路に始まり、中華民国時代には主としてベルギーとオランダからの借款によって東西方向への延長が進められ、1936年までに連雲港―宝鶏間が開業していた。第二次世界大戦後に宝鶏―蘭州間の建設が進められたが、まず天水以東の区間が開業し、天水―蘭州間は新しい中華人民共和国政府の手によって1952年に開業し、初めて線名のとおり隴(甘粛省)と海(海州)を直結することができた。蘭州ではここからウルムチに至る蘭新(らんしん)線と結ばれ、隴海線はその根元にあたる重要幹線の役割を果たす。

青木栄一・青木 亮]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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