雪転(読み)ゆきまろばし

精選版 日本国語大辞典 「雪転」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐まろばし【雪転】

〘名〙
① 雪をころがし丸めて大きいかたまりにすること。また、その雪のかたまり。雪まるげ。雪まろげ。雪まろがせ。雪ころがし。雪まるめ。雪まろめ。《季・冬》
源氏(1001‐14頃)朝顔「池のこほりも、えもいはずすごきに、童べおろして、雪まろばしせさせ給ふ」
② 雉の羽の部分の名。羽の下方、つけ根に近い所。雪まろがせ。

ゆき‐ころがし【雪転】

〘名〙 雪の玉を作り、雪の上を転がして大きなかたまりにすること。また、そのかたまり。雪こかし。雪ころばかし。雪ころばし。雪まろばし。《季・冬》
洒落本・卯地臭意(1783)「ヲヲぬったはぬったは。べちゃあねへ、ゆきころがしへ、くるみをおっつけたやうだ」

ゆき‐こかし【雪転】

〘名〙 積もった雪の上に雪の玉をころがして次第に大きな塊とすること。また、その塊。雪だるまの類。雪ころがし。《季・冬》
※俳諧・毛吹草(1638)七「ふりつもる佐野の渡の雪こかし、家はなくして皆すべりみち」

ゆき‐ころばし【雪転】

〘名〙 =ゆきころがし(雪転)《季・冬》
※俳諧・犬子集(1633)六「武蔵野の雪ころはしか富士の山〈徳元〉」

ゆき‐ころばかし【雪転】

※玉塵抄(1563)五一「雪をつきあつめて童子の雪ころはかしをする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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