雲の波(読み)クモノナミ

デジタル大辞泉 「雲の波」の意味・読み・例文・類語

くも‐の‐なみ【雲の波】

重なっている雲を波にたとえていう語。
あめの海に―立ち月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ」〈・一〇六八〉
立ち重なっている波を雲にたとえていう語。
「―煙の波の立ちへだて相見んことのかたくもあるかな」〈続古今離別

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雲の波」の意味・読み・例文・類語

くも【雲】 の 波(なみ)

  1. 雲の重なっているさまを波に見立てていう語。波のような雲。
    1. [初出の実例]「天の海に雲之波(くものなみ)立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」(出典万葉集(8C後)七・一〇六八)
  2. 波のたち重なっているさまを雲に見立てていう語。ふつう「雲の波煙の波」の形で、海上はるかなさまの形容として用いられることが多い。雲居の波。
    1. [初出の実例]「雲の波煙の浪をたちへだて、あひ見むことのはるかなるかな」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android