雲板(読み)うんばん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雲板」の意味・わかりやすい解説

雲板
うんばん

禅宗寺院で庫裏 (くり) や斎堂の前に掛け法要,坐禅,食事などの時刻を知らせる打鳴具。青銅または鉄の鋳製板で,形状上辺雲形の切込みをつけたほぼ楕円形。元来は中国の楽器で,宋時代に雲板の形ができたらしく,鎌倉時代に禅宗とともに渡来した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雲板の言及

【板】より

…おもに仏教寺院の法具として用いる。材質,形状に従って,雲板(うんばん),木板(もつばん),魚板(ぎよばん)の3種がある。雲板は青銅または鉄製で平板状雲形をなし,雲版とも書き,火版,大版,長板,斎板,板鐘などともいう。…

【仏教美術】より

…仏教はインドの釈迦によって紀元前5世紀に開かれ,一は南海をへて東南アジアに伝わり,他は中央アジアから中国,朝鮮をへて日本に達する。長い歳月をかけてアジアの広大な地域に伝播しただけに,そこに展開する仏教美術は多彩をきわめ,その変化の諸相に幻惑されるほどである。仏教は本来釈迦を起点として展開するものだけに,それ自体有機的な発展をとげたものである。古来〈仏〉〈法〉〈僧〉の三宝(さんぼう)は仏教の基本大系であり,時・空間を超えた広がりをもつ仏教美術もまた,これを軸として考えると,統一的にとらえることができるだろう。…

※「雲板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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