庫裏(読み)クリ

デジタル大辞泉 「庫裏」の意味・読み・例文・類語

く‐り【庫裏/庫×裡】

寺院で、食事を調える建物庫院くいん
住職やその家族の住む場所

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「庫裏」の意味・読み・例文・類語

く‐り【庫裏・庫裡】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「く」は「庫」の呉音 )
  2. 仏語。本尊への供物住僧の食事の調理などをする建物。古くは食堂(じきどう)といわれたもの。
    1. [初出の実例]「されば仏殿、法堂、庫裏(クリ)、僧堂、山門」(出典太平記(14C後)二四)
  3. 寺で、住職や家族などの住む所。仏殿本堂に対する僧房厨房総称
    1. [初出の実例]「くり間、ふすましゃうじ二まい」(出典:東寺百合文書‐を・宝徳三年(1451)一〇月七日・彼方寿呵彌華蔵庵建具等注文)
  4. 真宗で、僧の妻の呼び名。おくりさま。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「庫裏」の意味・わかりやすい解説

庫裏
くり

庫裡とも書く。禅宗寺院の庫院 (くいん) から起ったもの。寺務所兼台所であったが,小寺院では住職の居所である方丈をも合せ,本堂と庫裏とで寺院を構成している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の庫裏の言及

【禅宗寺院建築】より

…塔頭は高僧が子院に住み弟子,従僧をもつことから,高僧の墳墓を院内につくり,その墓塔を弟子が守り拝礼する昭堂などがおかれ,子院を継承するようになって定着した。住持の居室と客殿を兼ねた方丈と,政所(まんどころ),食堂,厨房,従僧居室を兼ねた庫裏(くり)とが組み合わされて主体となる。この組合せは,地方寺院に宗派とは関係なく伽藍形式として取り入れられた。…

【塔頭】より

…明治以降は法的には一末寺としての取扱いをうけている。 塔頭の形態は,卵塔(らんとう),昭堂(しようどう),方丈(ほうじよう),僧堂,書院,庫裏(くり)などから構成される。禅僧の墓を卵塔あるいは無縫塔と呼び,四角,八角の台座に卵形の塔身をのせる。…

※「庫裏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android