電波無響室(読み)デンパムキョウシツ(英語表記)electromagnetic darkroom

デジタル大辞泉 「電波無響室」の意味・読み・例文・類語

でんぱ‐むきょうしつ〔‐ムキヤウシツ〕【電波無響室】

電波暗室

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「電波無響室」の意味・わかりやすい解説

電波無響室 (でんぱむきょうしつ)
electromagnetic darkroom

電波暗室ともいう。音に対する無響室,光に対する暗室に相当するものである。通常電波機器たとえばアンテナなどの設計は,それが無限に広い空間におかれたときにどのような特性をもつかという仕様によって設計されることが多い。したがってその特性を実験で調べるためには,電波的に無限に広い空間すなわち被試験体以外からは反射の電波がない空間が必要になる。このようなものを有限空間に作るためには,有限空間の壁に相応の電波吸収体を張りめぐらせばよいことになる。通常は広帯域型で入射角が大きくても動作する電波吸収体を用いている。電波の波長の長い場合は吸収体の厚さや無響室の大きさが大きくなってしまうので,モデルを縮尺して,波長の短い電波を用いて行うことがしばしばで,その場合は無響室の大きさや吸収体の厚さは小さくすることができる。人工衛星の電波に関する特性の実験はこの電波無響室で行われている。
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