大学事典 「非常勤講師」の解説
非常勤講師
ひじょうきんこうし
非常勤講師は,専任ではない講師(日本)である(「講師」の項を参照)。他の教育職と異なって講師は,特定の専門分野について授業を担当する専門家としての非常勤の職が想定されており(教育公務員特例法2条は,講師についてのみ常時勤務者に限定している),教授・准教授相当者についても常勤以外の者については非常勤講師として取り扱われるのが通例である。非常勤講師は,原則として大学の専任教員が担当できない授業科目のみを担当し,拘束時間も当該授業時間のみである。大学の社会人の活用等に非常勤制度の利用が促されているが,他方において,専任教員数を減らして教養科目を中心に非常勤講師に教育の多くを依存する大学が少なくない。非常勤講師の職は,通常,他学の専任教員や企業や官公庁の職員など専任の職を持つ者を前提にしたものであるため,その身分保障や待遇は限定的である。
著者: 大場淳
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報