非線形工学(読み)ひせんけいこうがく(英語表記)nonlinear engineering

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

非線形工学
ひせんけいこうがく
nonlinear engineering

入力と出力の大きさが比例関係にない系、または線形微分方程式で表されない系を対象とする工学分野。この系では重ねあわせの理(線形則)は成立しない。自然界の現象はほとんど非線形であり、そのため普通、ある条件の下で線形系に近似して取り扱っている。この近似方法では、外部との接触を遮断した平衡系では取扱いが可能であるが、外部とのエネルギーのやりとりのある非線形・非平衡な系では不可能となる。実在する非線形・非平衡な系は無秩序のものから秩序のあるものまでさまざまで、非平衡の度合いが増すとともに非線形性は強くなり、特異なリズムやパターンを発生する。それぞれの非線形・非平衡の問題を解く手段としてカオス工学やフラクタル理論、ソリトンやリミットサイクル振動を解明する理論などが現れており、それらは非線形工学と総称されている。[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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