自然や社会を一貫して支配している原理、法則性。この宇宙の中に含まれているさまざまの多様を統一化するところの原理。初期のギリシア哲学は、人間の理性と同質的な秩序が自然や社会をも同時に支配していると考えた。つまり、自然と人間とは連続的親縁の関係にあるとされてきた。だから、宇宙の理法(ロゴス)を探究する学問である宇宙論が、ただちに国家の法(ノモス)や人間精神を支配する原理の探究でもありえたのである。ところが、キリスト教的世界観の到来とともに、大地は裂けて深淵(しんえん)となり、自然と精神の間に亀裂(きれつ)が生じ、それ以後、両者は非連続的な断絶の関係のままに放置されることとなった。デカルトの形而上(けいじじょう)学は、精神と自然との間の実在的区別を論証することに専念し、自然的世界に関してのみ数学的な秩序を想定するに至った。パスカルになると身体と精神と愛という相互に非連続な関係にある三つの秩序の説をたてるに至る。このように、ヨーロッパの近代以後は、宇宙を支配する統一的原理としての古典的秩序の観念を見捨て、さまざまの次元の秩序をそれぞれ異なった仕方で探究するようになるのである。
[伊藤勝彦]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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…同書は,第1次大戦後のハイパー・インフレーションに対して無力無策だった歴史学派の経済学への決別の書でもあった。ほかに主著としては,経済理論と歴史を統合する立場から〈形態学〉という着想を用いて,経済と国家を論じた《国民経済学の基礎》(1940),理想的な競争秩序を実現するための制度的枠組みを説いた《経済政策原理》(1952)などがあげられる。第2次大戦後,オイケンをはじめとするフライブルク学派(その年報《オルドーOrdo(秩序)》は1948年に創刊)の学者たちは,新自由主義を提唱し,自由市場経済の政策立案に大きな力があったといわれている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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