靡ける(読み)ナビケル

デジタル大辞泉 「靡ける」の意味・読み・例文・類語

なび・ける【×靡ける】

[動カ下一][文]なび・く[カ下二]
なびくようにさせる。なびかせる。
「髪を肩に―・け」〈中勘助島守
自分の意に従わせる。服従させる。
九国を―・けんとするに」〈保元・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「靡ける」の意味・読み・例文・類語

なび・ける【靡】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]なび・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. なびく状態にさせる。なびかす。
    1. [初出の実例]「おほかたは誰(た)が見むかともぬばたまの我が黒髪を靡(なびけ)てをらむ」(出典万葉集(8C後)一一・二五三二)
    2. 「一なげしの花の事。なげしのごとく、そばへ花をなびけて」(出典:仙伝抄(1445))
  3. 自分の意に従わせる。服従させる。また、異性の思いを自分に向けさせる。
    1. [初出の実例]「九国をなびけんとするに、誰かはさうなく随ふべき」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
    2. 「しのびしのびに旦那をなびけて」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)三)

靡けるの補助注記

万葉集の訓は推定されたもので、中古以前に確例は見当たらない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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