普及版 字通 「靦」の読み・字形・画数・意味


16画

(異体字)
14画

[字音] テン
[字訓] あつかましい

[説文解字]

[字形] 会意
面+見。〔説文〕九上に「面(まのあたり)見るなり。面見に從ふ。見は亦聲なり」とあって、見の声義をとるとするが、見(けん)声にその音をとるものはない。また重文としてを録する。「面見」は文意が明らかでなく、王念孫や徐の説のように、おそらく「人面の皃なり」の誤文であろう。〔詩、小雅、何人斯〕に「靦たる面目あり」の句があり、無恥の状をいう。〔爾雅、釈言〕に「靦は(くわつ)なり」、〔説文〕女部十二下に「(てん)は面靦なり」(段注本)とあり、もまた無恥の状をいう。

[訓義]
1. あつかましい、あつかましいかお、はじしらぬかお。
2. はじる、おもはゆい。
3. 字はまたに作る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕靦 加太奈志(かたなし) 〔名義抄〕靦 オモホテル 〔立〕靦 アツカヒ・ハヅ・オモフ・カタナシ

[語系]
靦・thyenは同声。〔説文〕心部十下に「・徐(山東)に慙(ざん)を謂ひて(てん)と曰ふ」とあり、心に愧(は)じることを、外にあらわれることを靦という。

[熟語]
靦汗靦顔靦愧靦懼・靦靦慙・靦然靦腆靦冒・靦
[下接語]
愧靦・慙靦・自靦・負靦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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