鞘鳴(読み)さやなり

精選版 日本国語大辞典 「鞘鳴」の意味・読み・例文・類語

さや‐なり【鞘鳴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 刀身が鞘に合わないため、持ち歩いたり、納刀するときなどに刀身がかたかたと音をたてること。
    1. [初出の実例]「下手のつくれる奈良刀の鞘鳴(サヤナリ)して」(出典仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)三)
  3. 敵と戦うときに、武者ぶるいがして心が逸(はや)ること。
  4. ( 「家(や)鳴り」に「さや鳴り」を言いかけた語 ) 家がきしみ鳴ること。また、それほどに大声をあげて叱責すること。
    1. [初出の実例]「さやなりもよしひろくさけ家桜」(出典:俳諧・糸瓜草(1661)二)
    2. 「跡のこじりの帳面のつばめ合せと、親方が鞘なりするぞ道理也」(出典:浄瑠璃・長町女腹切(1712頃)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android