日本大百科全書(ニッポニカ) 「音声通訳電話」の意味・わかりやすい解説
音声通訳電話
おんせいつうやくでんわ
日本語で話した音声を自動的に他国語、たとえば英語やドイツ語に変換して相手に伝え、相手の話す英語やドイツ語を自動的に日本語に変換して再生する電話方式のこと。音声分析・音声認識・言語翻訳・音声合成の技術を総合した技術である。1995年に日本のATR(自動翻訳電話研究所)とアメリカのカーネギー・メロン大学、ATRとドイツの研究所の間で実験が行われ、話題を国際会議への問い合わせと参加申し込みに限定はしたものの、翻訳通話に成功した。現在もATRを中心にNTTの研究所などで、高度化・高速化の研究が続けられている。現時点(1997年)では原理的な可能性が立証された段階である。
[中田和男]