ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「音楽美学」の意味・わかりやすい解説 音楽美学おんがくびがくaesthetics of music 音楽の美的本質を明らかにし,芸術としての本質的特徴を究明する学問。一般美学の一部門としても位置づけられるが,いわゆる音楽学の体系のなかでは,音楽の本質を論じる哲学的部門である。したがってまた,哲学的思考方法や思想的立場の違いによって,さまざまな方向が考えられる。音楽に関する美学的アプローチは,すでに古代からみられるが,現代的音楽美学は,19世紀の観念論的美学,経験主義的実証主義的な美学をふまえ,また E.ハンスリックの音楽美論を契機として,自律的な学としての性格を打出すことになる。現代でも,さまざまな哲学的,思想的立場から音楽の本質的契機をとらえる努力がなされているが,現象学的な方法や解釈学的方法が実り豊かな成果を収めたほか,さらに存在論,時間論,唯物論,あるいはまた情報理論などが,音楽の本質追究に取入れられている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by