須沼村(読み)すぬまむら

日本歴史地名大系 「須沼村」の解説

須沼村
すぬまむら

[現在地名]大町市大字常盤ときわ 須沼

現大町市南端の高瀬たかせ川右岸に位置し、北は現下一本木しもいつぽんぎ集落、西は現西山にしやま集落に接する。高瀬川川の氾濫原に水田地帯が広がっている。

須沼は「すのま」とも発音される。文明一五年(一四八三)二月三日の三宮穂高社御造宮定日記に、同社の造宮課役の郷の一つとして「御荒垣一方半 菅(沼)郷所役十五日」とあり、菅沼は須沼のことで、これを初見とする。文禄年間(一五九二―九六)に成立したとみられる筑摩安曇両郡郷村御朱印御高附には「弐百五拾八石八斗弐升 須沼村 此内壱石大明神領」とみえるが、大明神領一石は現在もこの村に奉斎する神明社の黒印地をさしている。

須沼村には二つの館跡がある。「信府統記」は、ともに堀屋鋪ほりやしきとよんでいて、一つは東西二二間、南北一六間で須沼主税之助が居館したと記し、またもう一つについては一四間四方の構えをもち須沼摂津守が居館したと記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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