高瀬川(読み)たかせがわ

  • たかせがわ ‥がは
  • たかせがわ〔がは〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

長野県北西部を流れる犀川支流全長 56km。槍ヶ岳北方に発し,飛騨山脈前山の間を深い峡谷をなして北流する。東に向きを変え,大町市からは松本盆地を南流して安曇野市川に注ぐ。上流部に高瀬ダム,七倉ダムなどがあり,1979年から発電を開始。上流,中流渓谷美で知られ,葛温泉,湯俣温泉がある。土砂運搬が多く,松本盆地では広い扇状地を形成している。
京都市中京区樋之口で鴨川の水を分岐し,伏見区京橋で宇治川に注ぐ約 10kmの運河。慶長 19 (1614) 年角倉了以開削。幅約 5.5m。江戸時代は大坂-京都間の物資輸送に利用され,名称高瀬舟を用いたことに由来する。運河の分岐点付近にある,当時の荷物積卸し場の一之船入史跡指定されている。

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百科事典マイペディアの解説

京都市街を流れる小河川。中京区樋之口町で賀茂川から分かれ,伏見区南部で宇治川に合する。1614年角倉(すみのくら)了以が開掘した運河で,幅5.5mだが水深は深い。京都〜伏見間の高瀬舟の舟運に利用されたので川の名がつけられたという。分岐点付近に当時の積卸場の一之船入(史跡)が残る。
→関連項目賀茂川

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世界大百科事典 第2版の解説

長野県の北部を流れる犀(さい)川の支流。槍ヶ岳に源を発して北流し,三俣蓮華岳野口五郎岳など北アルプスの奥山と大天井(おてんしよう)岳,(つばくろ)岳などの前山の間に深い峡谷をつくる。不動滝から流路を東北東に変え,12kmほど流れて安曇野(あずみの)に出る。ここから南流して,明科(あかしな)町押野付近で犀川に合流する。延長約47km。渓谷のこう配が急であるためしばしば水害が発生し,1969年8月11日の水害では,上流の(くず)温泉がほぼ完全に流失してしまった。
近世初期,角倉(すみのくら)了以によって開削された運河で,京都市中と大坂,伏見との物資輸送に利用された。1611年(慶長16)起工,14年完成。川幅約7m,全長約10km。開削費用は7万5000両。川名は,輸送に高瀬舟が用いられたことによるといわれ,角倉川ともよばれた。 二条大橋西畔から鴨川の水をひき入れ,鴨川西岸に沿って中京区,下京区を南下,南区東九条でいったん鴨川に合流し,東山区福稲南西部から鴨川東岸を南流,伏見の市街地西部を流れて宇治川に流入する。

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大辞林 第三版の解説

長野県北西部を流れる川。槍ヶ岳付近を水源とし、梓あずさ川と合して犀さい川となる。
京都市中南部にある運河。一七世紀初め角倉了以が鴨川ぞいに開いた鴨川の分水路。貨物運送の高瀬舟が上下したところから名づけられた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[一] (水運に高瀬舟が用いられたところから名づけられた) 京都市の中央部を南北に流れる運河。方広寺の再興に際し、資材の運搬のため、角倉了以が慶長一六年(一六一一)幕府に出願し、同一九年秋に完成した。二条から鴨川の水を引き、伏見の三栖(みす)に至り、淀川に通ずる。明治末年まで、京坂間の運送路としてさかんに利用された。全長約一〇キロメートル。角倉川。
[二] 長野県北西部を流れる川。槍ケ岳に源を発し、北流して大町市を通り、明科(あかしな)町で犀川に合流する。上流に高瀬ダム、葛(くず)温泉がある。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

17世紀初め角倉了以が京都〜伏見間に開いた水路
方広寺再建のための物資輸送用として開発,さらに,1611年賀茂川の水を引いて京都二条から伏見を経て淀川に通じる運河として開通。「高瀬舟」と呼ぶ川舟が薪炭などの物資を運送した。森鷗外小説『高瀬舟』でも知られている。

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世界大百科事典内の高瀬川の言及

【賀茂川∥鴨川】より

…鴨河原はみそぎ祓(はらい)の神事や合戦場,処刑場として著名であるが,中世末から近世にかけては庶民の集まる広場となり,芝居・見世物小屋が並ぶ歓楽街が四条河原,五条河原に形成された。この河川は古代から木材,薪炭などの輸送に利用されていたが,平時は水量が少ないため慶長年間(1596‐1615)西岸の二条通り南の一之船入以南に高瀬川が掘削され,明治前期まで水運に利用された。河水は友禅染の水洗に最近まで利用されてきたため,高野川東岸の高野付近には染色工場が立地する。…

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