領事報告(読み)りょうじほうこく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「領事報告」の意味・わかりやすい解説

領事報告
りょうじほうこく

在外公館,主として領事館から本国へ送られた通商関係の諸報告の総称。日本の領事報告制度は,1875年の領事館貿易報状規則,84年の貿易報告規則などを経て,90年帝国領事報告規定に定式化された。大別して「月報」「年報」「臨時報告」に分けられるが,いずれも海外におけるわが国の重要商品の市況嗜好品評など,通商一般に関する情報を提供し,民間経済の発展に貢献した。領事報告をまとめた定期刊行物は 1881年から 1943年まで中断することなく発行されたが,誌名は『通商彙編』『通商報告』『通商彙纂』など何回かの変更を経ている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の領事報告の言及

【領事館】より

…敗戦により領事館警察は廃止され,当時3400名の警官は居留民保護に任じつつ帰国した。【藤村 道生】
[領事報告]
 19世紀後半,各国間の通商競争が激しくなるにつれ,各国は領事による通商情報活動に力を入れたが,アジアで整備された領事報告制度をもっていたのは日本だけであった。日本の領事報告制度は,1875年(明治8)の〈領事館貿易報状規則〉,84年の〈貿易報告規則〉などを経て,90年の〈帝国領事報告規程〉において定式化された。…

※「領事報告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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