月報(読み)ゲッポウ

デジタル大辞泉 「月報」の意味・読み・例文・類語

げっ‐ぽう【月報】

毎月定期的に出される報告印刷物
新刊の全集などに添えられる小冊子

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精選版 日本国語大辞典 「月報」の意味・読み・例文・類語

げっ‐ぽう【月報】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 月々の報告や報道。また、その印刷物。
    1. [初出の実例]「これは工場人事課より発行する月報に掲げられたものの抜き書きである」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉三)
  3. 全集、叢書など、継続的に出版される書籍に、関連する記事を載せてはさみこまれる簡単な印刷物。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「月報」の意味・わかりやすい解説

月報
げっぽう

本来は月々の通報、報告、またはその印刷物をいう語。現在では全集などに挟み込まれる付録の小冊子をさすことが多い。全集付録、「しおり」などともよばれる。この形式が普及したのは昭和の初め、円本(えんぽん)(1円均一の全集、叢書(そうしょ)本)が流行を極めたときからで、改造社の『現代日本文学全集』(1926~31)に挟み込まれた『改造社文学月報』などがその先鞭(せんべん)をつけた。引き続き『芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)全集』『漱石(そうせき)全集』などの個人全集にも月報が付録されることとなった。これらの月報文章には著者についての回想、著作に関するエピソードなどが盛り込まれ、資料としても有益であり、読み物としても興味深いものがある。最近では各巻付録の月報を合本して全集別巻としていることもあり、『漱石全集』の月報を以前にさかのぼって一括している例もある。なお新刊の図書・雑誌を月々にまとめた月刊誌『東京堂月報』(旧称『新刊図書雑誌月報』)、PR誌の性格をもった『岩波月報』などは全集類の月報とは異種のものであった。

保昌正夫

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