頭の光(読み)つむりのひかり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「頭の光」の意味・わかりやすい解説

頭の光
つむりのひかり
(1754―1796)

江戸後期の狂歌作者。日本橋亀井町の町代を勤め、本名岸宇右衛門、画名文笑、号桑楊庵(そうようあん)。天明(てんめい)狂歌流行とともに四方赤良(よものあから)(蜀山人(しょくさんじん))門下となって、清新軽快な詠み口により頭角を現し、宿屋飯盛(やどやのめしもり)(石川雅望(まさもち))らとともに、次代を担う四天王に数えられた。寛政(かんせい)(1789~1801)に入って飯盛が江戸追放されてのちは、尚左堂(窪(くぼ))俊満(しゅんまん)らの協力を得て伯楽連(ばくろうれん)を率い、旧師赤良から譲られた巴人亭(はじんてい)光の号で多くの狂歌本を出した。「ほととぎす自由自在にきく里は酒屋へ三里豆腐やへ二里」の一首は天明狂歌の代表的名吟として知られたが、寛政8年4月12日、惜しまれつつ若死にした。

[浜田義一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android