頼無・便無(読み)たよりない

精選版 日本国語大辞典 「頼無・便無」の意味・読み・例文・類語

たより‐な・い【頼無・便無】

〘形口〙 たよりな・し 〘形ク〙
① たよりとして身をまかすことのできるものがない。たのみにするところがない。よるべきものがない。孤立して心細い状態である。
伊勢物語(10C前)二三「女、親なくたよりなくなるままに」
太平記(14C後)八「返さんとするも叶はず、防がんとするも便(タヨ)りなし」
② 大丈夫という安心感がない。たしかである確信が得られない。しっかりした手応えがない。たのみにならない。あてにならない。また、粗末である。
※米沢本沙石集(1283)一〇末「尋常の人にて御坐すとみまいらすれば、器物なんど便(タヨリ)(〈注〉ビン)なうて」
浮世草子好色五人女(1686)五「朽木のたよりなき丸太を二つ三つ四つならべてなげわたし
たよりな‐げ
〘形動〙
たよりな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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