顔廟(読み)がんびょう

世界の観光地名がわかる事典 「顔廟」の解説

がんびょう【顔廟】

中国の山東省曲阜(きょくふ)(チューフー)市の市街北部の陋巷(ろうこう)街にある、顔回(紀元前514~前483年)を祀る廟。松や柏、桧、槐(エンジュ)が茂る約6haの敷地の中に、柱間159間の廟堂(びょうどう)をはじめとする建物群と55枚の歴代の碑刻がある。顔回は孔子の第一弟子で、中国六大聖人の一人で、「亜聖」と称される人物である。曲阜は春秋時代の魯国の都で、孔子や顔回の生まれ故郷である。漢の初代皇帝高祖(劉邦)が魯に立ち寄って孔子を祀った際に、顔回を復聖公に封じ、彼が生まれた陋巷街に廟堂を建てたと伝えられている。その後、元、明、清の時代に改修と拡張が続けられ、今日に至った。建物の中で、元の時代に建造された杞国公殿(顔回の父親を祀る神殿)は、たいへん貴重なものとされている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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