知恵蔵 「風力発電事業」の解説 風力発電事業 風のエネルギーを用いて発電し、その売電で収益をあげる事業。1980年代にデンマークと米国で実用化が進み、90年代に入って、地球温暖化問題などを背景に様々な促進政策が導入され、ドイツを筆頭に急速に普及した。2007年末の風力発電は前年比27%増、世界全体で累計9400万kWに達し、ドイツの2200万kWを筆頭に、米国・インド・中国でも急成長した。ドイツの風力発電市場は6000億円規模に達している。日本では、98年に電力会社が風力発電からの電気を15〜17年間買い取る長期購入メニューを導入して普及に弾みがつき、10年の政府見通しも従来目標の10倍の300万kWに見直された。06年末に130万kWに達したが、電力会社が次々に風力発電の導入制限を設けた影響で今後の市場動向は不透明。系統連系問題や自然公園との環境調和など新たな課題も浮上している。 (飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by