日本大百科全書(ニッポニカ) 「飛水峡」の意味・わかりやすい解説
飛水峡
ひすいきょう
岐阜県中南部、JR高山本線白川口駅付近から約12キロメートル下流の上麻生(かみあそう)(加茂(かも)郡七宗(ひちそう)町)付近にかけて、美濃(みの)高原が飛騨川(ひだがわ)によって深く侵食されてできた峡谷。飛騨木曽川国定公園(ひだきそがわこくていこうえん)の景勝地の一部で、古生層の河床をえぐってできた約900におよぶ大小さまざまな甌穴(おうけつ)がみられる。この甌穴群は国の天然記念物になっている。また、上麻生の上流では、わが国でもっとも古い岩石(約20億年前といわれる)が発見されている。かつては飛騨川筋の交通の難所の一つであったが、いまはJR高山本線や国道41号が通じている。
[上島正徳]