改訂新版 世界大百科事典 「飯室座」の意味・わかりやすい解説 飯室座 (いいむろざ) 室町時代の大和で活躍した麴座(こうじざ)の名称。五位荘の住人が結成した座であるところから五位座とも呼ばれた。飯室とは麴を温めるための温室すなわち麴室の別名。麴座は中世の大和でさまざまな名称で呼ばれたが,その製造法にちなんだ名称としてはほかに温飯座(うはんざ)があり,飯室座もこの種の名称の一つと考えられる。飯室座は興福寺大乗院を本所とし,大仏供座,温飯座,乙木座,竹内座,木原座という他の麴座と,大和盆地における販売権を争っていた。執筆者:神田 千里 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報