日本大百科全書(ニッポニカ) 「饒漱石」の意味・わかりやすい解説
饒漱石
じょうそうせき / ラオシューシー
(1903―1975)
中国の政治家。江西(こうせい)省出身。上海(シャンハイ)で大学卒業後、労働運動に参加。1927年、武漢政府で活動ののちソ連などに亡命、帰国して上海を中心に地下活動を行い、のち延安(えんあん)に赴き、抗日戦争中は新四軍の政治委員として長江(ちょうこう)流域で活躍。1945年の中国共産党第7回大会で中央政治局委員。1949年4月、陳毅(ちんき)司令のもとで政治委員として長江渡河作戦を指導。新中国成立とともに中央人民政府委員、上海を中心とする華東行政委員会主席、ついで党中央組織部長、国家計画委員会委員。まもなく東北行政委員会主席の高崗(こうこう)と気脈を通じ、いわゆる反党事件に連座、1955年4月全職務を解任され、除名、投獄された。
[安藤彦太郎]