馬形(読み)うまがた

精選版 日本国語大辞典 「馬形」の意味・読み・例文・類語

うま‐がた【馬形】

〘名〙 (「うまかた」とも)
① 馬の形、姿。また、馬の姿を描いたもの。
※中右記‐天永三年(1112)一〇月一九日「朝干飯壺布障子、皆悉画馬形、里亭多相具打毬也」
② 土、木、紙などを用いて馬の形に作ったもの。神馬(しんめ)の代わりに神前に奉納する。
肥前風土記(732‐739頃)佐嘉「下田の村の土を取りて人形・馬形(うまかた)を作りて此の神を祭祀(まつ)らば必ず応和有らむ」

ば‐ぎょう ‥ギャウ【馬形】

〘名〙 馬の形、姿。〔文明本節用集(室町中)〕
日葡辞書(1603‐04)「Baguiǒno(バギャウノ) ヨイ ウマ

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デジタル大辞泉 「馬形」の意味・読み・例文・類語

うま‐がた【馬形】

《「うまかた」とも》
馬の形。また、馬の形の絵。
木や紙で馬の形を作ったり絵に描いたりして、神馬の代わりに神に奉納するもの。

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世界大百科事典(旧版)内の馬形の言及

【絵馬】より

…日本では古くから馬は神の乗りものとして神聖視され,祈願や神祭に神の降臨を求めて生馬を献上する風があった。また一方,生馬に代わって馬形を献上する風もおこった。土馬・木馬がそれであり,馬形が簡略化されたのが板立馬である。…

【形代】より

…人,器財,動物などを模してそれに代わるべきものを作り,種々の呪術を行う道具。人形,馬・牛・鳥・鶏・犬形,刀・剣・鉾・鏃形,車・輿・舟形,男茎形など多種にわたり,素材も紙,布,木,鉄,スズ,銀,金,土製と多様である。飛鳥時代中国から伝わり藤原宮期に確立し,奈良・平安時代に盛行し後代につづく。人形代には凶用と善用の2種がある。凶用の人形代は587年(用明天皇2),中臣連勝海が彦人・竹田両皇子の人形代を作り呪殺を謀った例,平城宮大膳職の井戸で発見された人形代に〈坂部秋建〉の名を墨書し両眼と胸に木釘を打つ例がある。…

※「馬形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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