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中右記 ちゅうゆうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中右記
ちゅうゆうき

『宗忠公記』ともいう。平安時代後期の日記。藤原宗忠 (1062~1141) 著。宗忠自身は『愚林』と呼んでいるが,後人は宗忠の邸のあった中御門 (なかみかど) の地名と,彼の官職右大臣の一字ずつをとって『中右記』と呼んだ。記事は寛治1 (1087) 年から保延4 (1138) 年出家するまでの間のうち 47年分が伝わっているが,原本は伝わらない。朝廷の諸行事,政務を克明に筆録しているため,後世,貴族たちは競って彼の日記を学び,故実典礼の先例として引用した。彼みずから書いているところによれば,初めの 34年分で 160巻に達していたというから,全体で 250巻余の膨大な分量であったと思われる。『史料大成』所収。

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デジタル大辞泉の解説

ちゅうゆうき〔チユウイウキ〕【中右記】

平安後期の公家、中御門(なかみかど)右大臣藤原宗忠の日記。寛治元~保延4年(1087~1138)の記事があり、院政期の政治情勢や有職(ゆうそく)などを知る基本史料。宗忠公記。中右抄。愚林。

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百科事典マイペディアの解説

中右記【ちゅうゆうき】

中御門(なかみかど)右大臣藤原宗忠の日記。書名はその略名。1087年―1138年の政治社会情勢を詳説,院政時代研究の好史料。
→関連項目後二条師通記湯峰[温泉]

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうゆうき【中右記】

右大臣藤原宗忠の日記。家名の中御門と官名の右大臣より各1字をとって《中右記》と呼ぶが,宗忠自身は《愚林》と称していたらしい。宗忠は博学をもって鳴り,政務に練達し,日記も朝儀について詳細な記事を載せており,後世において故実典礼の典拠として重視された。記事は1087年(寛治1)より1138年(保延4)に及ぶが,中間を一部欠く。宗忠自身の記すところでは,1120年(保安1)当時すでに160巻にものぼっており,最終的にはおそらく250巻ほどの膨大な日記であったと思われる。

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大辞林 第三版の解説

ちゅううき【中右記】

ちゅうゆうき【中右記】

中御門右大臣藤原宗忠の日記。1087年から1138年に至る朝儀や政務の記録のほか、日々の見聞・人物評などを記す。院政期の重要史料。宗忠公記。愚林。ちゅううき。なかうき。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中右記
ちゅうゆうき

平安末期の公卿(くぎょう)藤原宗忠(むねただ)(1062―1141)の日記。原名は『愚林』。記主宗忠が京の中御門富小路(なかみかどとみのこうじ)邸に住み、右大臣に上って「中御門右府(うふ)」と称されたので、その日記を『中右記』とよぶ。白河(しらかわ)院政開始期の1087年(応徳4)正月元日、26歳のときから筆を起こし、鳥羽(とば)院政期の1138年(保延4)2月29日、77歳で出家受戒するまで、52年間にわたって書き継がれた。その全容は200巻を超えると推定される膨大・克明な記録で、現在まで百数十巻が伝来し、『増補史料大成』七冊(臨川(りんせん)書店)に収録されている。記主宗忠は朝儀・政務によく通じ、弁官・納言(なごん)などの顕職を歴任して大臣に至ったので、記事の内容は、その公事(くじ)の次第(しだい)を詳細に記して後世に資する模範的な公家(くげ)日記であるが、それとともに、院政時代の諸事件や、院と近臣、源平の武士、南都北嶺(ほくれい)の僧徒らの動き、大田楽、熊野詣(くまのもうで)などの世相、検非違使(けびいし)による検断の実態、造寺造仏の盛行や貴族の家の私生活のありさまなど、当時を知る第一級の史料を多く含んでいる。[戸田芳実]
『戸田芳実著『中右記』(『日記・記録による日本歴史叢書 古代・中世編5』1979・そしえて)』

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世界大百科事典内の中右記の言及

【藤原宗忠】より

…その間,在官60年,白河,堀河,鳥羽,崇徳の4朝に歴仕し,朝儀・公事に精通し,勤勉温厚な人柄でとくに白河上皇,堀河天皇に重用され,関白藤原忠実には顧問として信頼された。幼時より外祖父実綱をはじめ,紀伝道日野家の講説を受けて文章道に励み,《作文大体》《韻華集》《白律韻》などを著し,五十数年にわたる内容豊かな日記《中右記》を残した。【橋本 義彦】。…

※「中右記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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