普及版 字通 「驫」の読み・字形・画数・意味


30画

[字音] ヒュウ(ヒウ)・ヒョウ(ヘウ)
[字訓] はしる・とどろく

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
三馬に従う。〔説文〕十上に「衆馬なり」、〔字林〕に「衆馬行くなり」、また〔広雅、釈訓〕に「驫驫は走るなり」という。列国の器に〔羌鐘(ひゆうきようしよう)〕があり、は驫の繁文。羌はおそらく驫水の流域に住む羌(きよう)族で、もと牧畜族であろう。驫は群馬の奔る音をとる語と思われる。

[訓義]
1. はしる、馬がはしる、多くの馬がはしる。
2. とどろく。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕驫 土々呂久(とどろく) 〔名義抄〕驫 ハシル・ムラガル・トドロク 〔字鏡集〕驫 ムラガル・オドロク・トドロク・アヒミル・ハシル・ノボル・オドル・ヲル

[声系]
〔説文〕に驫声として木部六上(しん)の字を収め、「衆なり」と訓する。〔詩〕にみえる(しんしん)・(しんしん)は、あるいはもとに作る字であろう。〔説文〕にまた「書に曰く、疑沮事、闕」とあり、〔玉〕木部に引いて「疑沮事」に作り、「群疑、事を沮(はば)む」の意であろう。〔逸周書、文酌解〕には「疑沮事」という語がある。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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