骨髄性プロトポルフィリン症(読み)こつずいせいプロトポルフィリンしょう(英語表記)Erythropoietic protoporphyria

六訂版 家庭医学大全科の解説

骨髄性プロトポルフィリン症
こつずいせいプロトポルフィリンしょう
Erythropoietic protoporphyria
(皮膚の病気)

原因は何か

 先天性のフェロキレターゼの活性低下によるプロトポルフィリンの増加が原因です。

症状の現れ方

 幼児期(平均4歳)から、1時間程度日光に当たったあと、数分後に熱感、疼痛が生じます。幼児では、日光曝露(ばくろ)後、数時間から一晩中泣き続けることもあります。日光曝露後の熱感、疼痛しかないので、日光過敏はしばしば見すごされ、診断が遅れる場合がよくあります。

 赤らんだ浮腫(むくみ)、じんま疹に似た局面、湿疹病変が現れます。特徴的な線状の浅い瘢痕(はんこん)が額、鼻、手背にみられ、診断の手助けになります。長期間をへたあとでは、皮膚はロウソクのように肥厚(ひこう)し、しわが同じ部位に残ります。10歳ころから、自然に落ち着くこともあります。

 400nm、500~600nm(黄色から緑)が作用波長なので、窓ガラス越しの光でも症状を起こします。ほかに、肝機能障害、胆嚢疝痛(たんのうせんつう)もみられます。

検査と診断

 赤血球、血漿(けっしょう)、糞便中のプロトポルフィリンの増加(ポルフィリンは正常であるので注意)を調べます。赤血球蛍光の検査も行います。プロトポルフィリンは水に溶けないので、尿には出ません。

 組織検査では、真皮、血管周囲に多層化した基底膜構造のPAS陽性のヒアリン沈着をみます。

 区別すべき疾患には多形日光疹(たけいにっこうしん)、日光じんま疹種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)があります。日光の照射後数分で熱感、疼痛が生じるという非常に急激な反応は、ほかの疾患にはない特徴です。

治療の方法

 遮光(しゃこう)(普通のUVA、UVB用は無効で、チタンを含むものが有効)が必要です。β(ベータ)カロテンが有効な場合があり、システインが有効という報告もあります。10歳前後に落ち着くこともあります。

病気に気づいたらどうする

 皮膚科、小児科を受診します。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

デジタル大辞泉の解説

こつずいせい‐プロトポルフィリンしょう〔‐シヤウ〕【骨髄性プロトポルフィリン症】

ポルフィリン症の一種。小児期までに光線過敏症を発症することが多い。ヘム合成酵素フェロケラターゼの欠損により、ヘムの前駆体であるプロトポルフィリンが体内に蓄積されることにより発症する。肝障害、胆石を併発することがある。EPP(erythropoietic protoporphyria)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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