高尿酸血症と痛風

内科学 第10版 「高尿酸血症と痛風」の解説

高尿酸血症と痛風(プリン・ピリミジン代謝異常症)

(2)高尿酸血症と痛風
臨床症状・病態
 痛風(gout)は,高尿酸血症(hyperuricemia)により尿酸の結晶が組織に蓄積することにより引き起こされる一連の病的状態を指す.症状は,炎症性の再発性関節炎,痛風結節,尿酸結石である.血液尿酸値が7.0 mg/dL以上になると,痛風発作を起こすリスクがある.血液尿酸値は,人種,年齢,性,体格により異なる.また,腎機能,血圧,飲酒も影響因子である(表13-6-11).高尿酸血症は痛風発作を起こす原因となるが,高乳酸血症の人すべてが痛風となるわけではない.さらに,肥満や高脂血症,高血圧,動脈硬化,高インスリン血症など高尿酸血症に高頻度に伴う病態が痛風に関与しているということもない.急性の痛風は,尿酸ナトリウム塩の結晶が炎症反応の引き金となるが,尿酸結晶と炎症反応との間には多くの因子が関与しており,詳細は明らかでない.しかし,尿酸の結晶が好中球を刺激し活性化して関節内で炎症を惹起するため痛風発作が起こることは確実である.【⇨10-17】
治療
 高尿酸血症は,アロプリノール投与により抑えられる.痛風発作に対しては,コルヒチンや抗炎症剤の投与が有効である.[田中あけみ]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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