高棅(読み)こうへい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高棅」の意味・わかりやすい解説

高棅
こうへい
(1350―1423)

中国、明(みん)代の詩人。字(あざな)は彦恢(げんかい)、のちに名を廷礼(ていれい)と改め、号は漫士(まんし)。長楽(ちょうらく)県(福建省)の人。明の永楽(えいらく)年間(1402~24)の初めに翰林院待詔(かんりんいんたいしょう)に召し出され、のちに翰林院典籍(てんせき)に昇った。詩人として名があり、同じ福建の林鴻(りんこう)らと「閩虫(びんちゅう)十子」の一人に数えられる。書画の才も知られている。広く唐詩を集めた『唐詩品彙(とうしひんい)』90巻・拾遺10巻と『唐詩正声』22巻の編者。詩文集『高待詔集』5巻がある。

[佐藤 保]

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世界大百科事典(旧版)内の高棅の言及

【唐詩選】より

…李夢陽(りぼうよう),何景明ら〈前七子〉と呼ばれる7人,李攀竜,王世貞ら〈後七子〉と呼ばれる7人,十数人の文人がその主唱者である。この書物は,〈古文辞〉運動とその流行に便乗して,何者かが詩を選録し,李攀竜の死後,その盛名を借りて出版したものであり,〈前・後七子〉に先行して盛唐詩を評価した明代初期の高棅(こうへい)の手に成る唐詩の選集《唐詩品彙(ひんい)》90巻がその種本となったことが現在では確認されている。詩形別に,五言古詩,七言古詩,五言律詩,五言排律,七言律詩,五言絶句,七言絶句という順序に配列され,作品は465首が収められ,作者では128人が選ばれている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」