高温ガス冷却炉(読み)こうおんガスれいきゃくろ(英語表記)high temperature gas-cooled reactor; HTGR

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高温ガス冷却炉」の意味・わかりやすい解説

高温ガス冷却炉
こうおんガスれいきゃくろ
high temperature gas-cooled reactor; HTGR

冷却材にヘリウムガスを用いる原子炉高温ガス炉ともいう。炉の出口の温度が 1000℃前後と,他の炉にはない高温が得られるのが特徴。このため,燃料としては,微粒子に加工した核燃料の表面を炭素炭化ケイ素で覆い,高温に耐えられるようにした直径 1mmほどの被覆粒子燃料を用いる。比較的低温のガス冷却黒鉛減速炉を改良,発展させたもので,イギリス,アメリカ合衆国,ドイツなどで開発が進められてきた。近年は固有安全炉としても注目されている。発電用としてだけでなく,製鉄や化学工業のプロセス熱源など多数の用途に期待がかけられている。日本では,日本原子力研究開発機構が高温工学試験研究炉 HTTRを茨城県大洗町で稼働させている。

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