高薗村(読み)たかそのむら

日本歴史地名大系 「高薗村」の解説

高薗村
たかそのむら

[現在地名]浜北市高薗・竜南りゆうなん

豊田とよだ郡に所属。善地ぜんじ村の東、天竜川右岸の氾濫原に立地する。貞治元年(一三六二)頃とみられる一〇月一九日の西園寺実俊施行状(熊野速玉神社文書)などによれば、実俊は紀州熊野山新宮の造営料所の遠江国吏務職に関する訴訟を幕府に伝達したが、そのなかに「高薗郷」とある。「本朝高僧伝」の京兆宝幢寺沙門良佐伝によれば、応安元年(一三六八)絶海中津らとともに明に渡り、永和二年(一三七六)に帰国した汝霖妙佐は高薗郷の出身であったという。永享一一年(一四三九)一二月一二日、賢手・明永・善光によって高薗郷の新善光しんぜんこう寺に梵鐘が奉納されている(「鐘銘」新善光寺旧蔵)。享禄元年(一五二八)一一月、高薗郷に住む源長家らが「浅間大菩薩」に鰐口を奉納している(「鰐口銘」蓮華寺蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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