改訂新版 世界大百科事典 「高電圧試験」の意味・わかりやすい解説
高電圧試験 (こうでんあつしけん)
high voltage test
変圧器,発電機などの電力機器の絶縁を確かめる試験。高電圧絶縁試験,あるいは単に絶縁試験ともいう。所定の高電圧に耐えることを確認する絶縁耐力試験と,比較的低い電圧で絶縁の状態を調べる絶縁特性試験に大別される。電力機器の絶縁は数十年の間に加わる種々の電圧に対して正常な機能を果たさなければならないが,これを短時間の電圧を加えて検証するため種々困難な問題もかかえている。交流の電力系統に接続される機器については,19世紀末にアメリカの電気学会で標準化の提案があり,1907年に制定された標準規格で定格電圧の2倍の電圧を1分間加えることが定められた。その後,雷による異常電圧を対象とした雷インパルス試験が加えられるなどの変更はあったが,基本的には2倍1分間の交流を加える方式が今日においても踏襲されている。
執筆者:河野 照哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報