絶縁(読み)ぜつえん

精選版 日本国語大辞典 「絶縁」の意味・読み・例文・類語

ぜつ‐えん【絶縁】

〘名〙
関係を断ち切ること。縁を切ること。
※一年有半(1901)〈中江兆民〉附録「朝に提携を唱へ、夕に絶縁を唱へ」
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「葉子に対して親類一同は絶縁する申合せをしたといふ事を」
導体の間に電気または熱の絶縁体を入れて、電荷の流れまたは熱の伝導を遮断すること。
気海観瀾広義(1851‐58)一一「ここに来りたる越素を他に去らず、又一回去りたる者をして、ここに来るを得ざらしむ。これを離隔又絶縁(イソレーレン)といふ」
断水の日(1922)〈寺田寅彦〉「電気の絶縁の為にエボナイトを使ってある箇所真鍮で作って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「絶縁」の意味・読み・例文・類語

ぜつ‐えん【絶縁】

[名](スル)
関係を絶つこと。縁を絶ち切ること。「親類と絶縁する」
導体の間に絶縁体を入れて、電気や熱の伝導を絶つこと。「絶縁物」
[類語]離縁義絶勘当離れる離反離背決別おさらば絶交断交決裂物別れ離間乖離手を切る生木を裂く仲を裂くたもとを分かつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「絶縁」の意味・わかりやすい解説

絶縁 (ぜつえん)
insulation

電流,熱などが流れないようにすること。電流の場合を電気絶縁,熱の場合を熱絶縁というが,単に絶縁という場合が多い。電気絶縁は真空空気,六フッ化硫黄SF6ガスなどの気体絶縁材料,絶縁油絶縁紙プラスチックなどの液体,固体絶縁材料を単独,あるいは組み合わせて行う。電圧が加わっている導体を支持するために機械的特性も重要である。電気の絶縁物は熱的にも絶縁物である場合が多く,とくに真空は優秀な熱絶縁材料である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android