高麗螺鈿(読み)こうらいらでん(その他表記)Koryǒ najǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高麗螺鈿」の意味・わかりやすい解説

高麗螺鈿
こうらいらでん
Koryǒ najǒn

朝鮮,高麗時代の漆器一種。主として木製素地に布を着せ,漆を塗って菊唐草文や牡丹唐草文の繊細な螺鈿装飾を加える。まれに螺鈿に加え銅線などの金属をはめこんだものもあり,細かく緻密な螺鈿に特色がある。 11世紀中頃から制作され,12世紀に最も発達した。

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世界大百科事典(旧版)内の高麗螺鈿の言及

【高麗美術】より

…その技法は,新羅が唐より学んだものを高麗時代に国風化したと考えられ,《高麗史》によれば,中尚署に属する官営工廠において画匠,小木匠,漆匠,螺鈿匠,磨匠の分業により制作されたと思われる。高麗螺鈿の伝世品は,現在のところ十数点が知られ,東京国立博物館の毛利家旧蔵菊花唐草螺鈿経箱をはじめ,奈良当麻寺の花唐草玳瑁(たいまい)螺鈿盒子,京都桂春院の花唐草玳瑁螺鈿盒子など,のびのびした自由な文様表現に優れた作品がある。金工品は,現存作品からみるかぎり仏教関係のものが多く,梵鐘,鏧子(きんす),鰐口(わにぐち)などの梵音具,灯台,花瓶,香炉,鉢,水瓶などの供養具,その他,密教法具や荘厳具がある。…

※「高麗螺鈿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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